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うずらの玉子がいとおしい

 玉子が好きだ。
 イクラが好きだ。数の子が好きだ。ししゃもが好きだ。カレイの煮付けは玉子が付いていなければ魅力半減だと思う。
 勿論ニワトリの玉子も好きだ。
 目玉焼きが好きだ。玉子焼きが好きだ。オムレツが好きだ。呑みに行ったらとりあえず出汁巻き玉子を頼むくらい好きだ。寿司の玉子も大好きだ。子供の頃、茶碗蒸しを丼一杯食べるのが夢だった。小学生の頃、寺村輝夫の「王さまシリーズ」に出てくる玉子料理が食べたかった。
 そんな私が、昨日の夜中突然食べたくなったもの、それが「うずらの玉子」だ。

 うずらの玉子が好きだ。
 あの小ささが好きだ。清少納言だって「小さいものはみんなかわいい」と言っている。
 ニワトリの玉子よりも濃厚な味が好きだ。果汁3パーセントのみかんジュースよりポンジュースの方が美味いに決まっている。
 給食の時間に八宝菜が出るとうずらの玉子を最後のお楽しみにとっておく奴がクラスに必ず居ただろう。私のことだ。
 大皿料理にほんの少ししか入っていない貴重な奴。玉子界の宝石のような扱いを受けているのがうずらの玉子だ。
 そんなうずらの玉子をもりもり食べたい。コレステロールもプリン体も知ったことか。

 急に盛り上がった「うずら欲」を満たすために買い物に行ってきた。

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(うずら生10×3 水煮10×3 おまけの鶏卵10) 

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うずらが、うずらの玉子が攻めてくる!


 いかがだろう。うずらの玉子、60個で600円(税抜き)だった。安い。
 こういう「大人買い」をすると大人になって良かったと思う。
 60個のうずらの玉子を前に、りんか、ちょっと浮き足立っている。

 でも今写真を見て、ちょっと冷静になって「ばかじゃなかろうか?」と思った。
 ……いやいや、冷静になったら負けだ。ここは自分の「うずらの玉子愛」を信じて突っ走らねば。

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 あら、こんなところに指輪のケースが?  

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……と、思ったらうずらの玉子! まあ素敵!


 旦那に貰った指輪のケースに生玉子を入れてしまって怒られないか心配だ。

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うずらの玉子を温めてもペンギンは生まれません。
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ウミガメの産卵? いいえ、うずらの玉子です。

 ……うずらの玉子に対する愛情の発露が違う方向へ行ってしまったようだ。
 りんか、大量のうずらの玉子を前にして完全に上ずってしまっている。
 気を取り直して、割烹着を装備したら「うずらの玉子料理」調理開始だ!

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♪ちゃららっちゃっちゃ♪(BGM:玩具の兵隊) 

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この玉子を使って……と


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          おっと、その前に。   

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   土鍋でご飯が炊けたみたいです。


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まあ、ご飯の粒がこんなに立って! 

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……ごはん? いいえ、鍋の中でみっちり立ってるのは「うずらの玉子」


 遠近感がおかしなことになっている。
 いや、これで良いのだ。一人用の土鍋だから。
 本当は大きな土鍋一杯にみっしりうずらの玉子を並べたかったのだが、「ご飯と言うより虫の卵とかサナギみたいに見えたら嫌だな」と思って自制したのだ。
 これに出汁をはっておでん(うずらの玉子オンリー)を作ろう。
 いざ!

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       お酒も入れちゃえ。      

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  美味しくなーれー。 美味しくなーれー。


 コトコト煮込むこと数時間。
 その間にもう1つの玉子料理を作ってしまおう。

 玉子料理と言えば目玉焼きだ。小学生でも作れる簡単料理。
 でもこれがうずらの玉子だと難しい。何がって、うずらの薄皮が厚すぎてカパっと気持ち良く割れてくれないのだ。

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 ああー失敗…… うずらの玉子、手ごわい  

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 この薄皮一枚隔てた向こうにキミは居るのに!


 綺麗な目玉焼きが食べたいので崩れてしまった1個にはフライパンから退場していただいた(後で別個に焼いて食べました)
 うずらの玉子30個を割り終えるまでにかかった時間、約40分。1個につき1分以上だ。
 流石うずらの玉子、料理に1つしか入っていない理由はこの辺か。

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そしてこの可愛い29個のうずらの玉子達を…… 

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       一思いに焼くっ!


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 焼けた!(バターの油が浮いちゃったけど)   

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大皿に盛り付け!(ナイフとフォークの位置逆だけど)


 見よ、この迫力。
 食器との比較で大きさがわかっていただけると思う。
 これは最早「目玉焼き」などと言う言葉では表現できない。目が多すぎる。
 これじゃ「目目連焼き」だ。 (※目目連:障子に無数の目が浮かび上がる妖怪)
 では早速、「目目連焼き」試食ターイム!(ちなみに「目玉焼きには醤油」派)

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 いただきまーす♪ (ペンギンは醤油さし)  

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   一口ごとに玉子の黄身が一つずつ 


 これは美味しい! 美味しいですよ奥さん!
 黄身の味がぎゅっと詰まっていて、普通の目玉焼きの倍味が濃いですよ!

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  裏は普通の目玉焼き(あたりまえだ)    

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  あっという間に完食。ごちそうさまー。


 途中で飽きたらどうしようかと思っていたが、飽きることなく完食。
 ごちそうさまでした。

 ……と、ここで止めてはいけないのだ。
 うずらの玉子はまだ30個も残っているのだから。

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でもまだ味が染みてないのでパソコンでも…… 

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しばらくしたら出来上がったのでいただきましょう。

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         染みてます。 

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         またまた完食です。


 今度こそ飽きるんじゃないかと思っていましたが、完食しました。
 一日でうずらの玉子60個、食べようと思えば食べられるものです。
 おかげで、ひとまず「うずらの玉子欲」は収まりました。明日からは普通の食生活に戻ります。
 お付き合いありがとう御座いました。




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三角コーナーが「何が巣立った後だ」って様相になってました。

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コメント

うーずらー うーずらー たーっぷーりー うーずらー
うーずらーたぁっぷり うーずらーがやーって来る

目目連というかアルゴスというか王蟲の目玉というか……
なかなかに業が深い所行でございますね

個人的にはうずらのたまごはゆでて串に刺して焼いたのが好きかも(焼き鳥屋さんでよくあるやつ)
それに塩ふってこう一口に……

あ、うずら食べたくなってきたかも

投稿: くま | 2007年3月10日 (土) 23時38分

>くま
 業が深いです。一口で命がおひとつです。せめて美味しくいただきました。
 串焼き、是非1メートルくらいの長い串にずらっと30個くらい刺して食べてください。そして報告して下さい。
 さあ、明日はうずらの玉子を買いに行くんだ!

投稿: りんか | 2007年3月11日 (日) 00時32分

はじめまして、デリポから参りました。

私も小学校のころ寺村輝夫の「王様ばんざい」を
学校の図書室で読みふけっておりました。
挿絵の卵料理・;・・本当においしそうでしたね!!

目目連焼き作ってみようかなー♡

投稿: ぴこりん | 2007年3月15日 (木) 09時30分

コネタ道場より参りました。
おでんの、味の染み具合が分かる断面の写真が在ると良いかと思いました。

投稿: 血に飢えた仔羊 | 2007年3月15日 (木) 10時32分

>ぴこりんさん
 いらっしゃいませ。
 美味しそうですよね、あの玉子料理!
 半熟目玉焼きの目玉を潰してソースみたいに食べるというのがとても美味しそうで印象に残ってます。
 目目連焼き、割るのに時間がかかりますが達成感はありますよ。

>血に飢えた仔羊さん
 いらっしゃいませ。
 断面、確かに撮っておけば良かったです。
 次回(あるのか?)に活かしたいです。

投稿: りんか | 2007年3月15日 (木) 13時50分

自分は依怙地な人間なので、生の状態は「卵」調理・加熱後の状態は「玉子」という書き分けがあるともっとスッと読めたな、と思ってしまいました。「あ、ここで火通したな(通ったんだな)」なんて臨場感が出る(?)気がして。どっちでもいい時は「たまご」にするとか。こんな事気にしてんの自分だけですか、どうでもいいですか(笑)

投稿: ヒラカナ | 2007年3月15日 (木) 21時30分

生のうずらの卵は割るよりも切った方がきれいに中身を取り出せます。
左手で卵をもって、とがった方を包丁でそぎ取るみたいな具合に切り取ります。
事前に卵をかるく水で洗っておくとより切れやすいです。

大昔、料亭でバイトしてたとき、〆の茶そばにつける薬味のうずらを、こうして毎日何十個も切りまくっていました。
なつかしや。

投稿: ぐり | 2007年3月15日 (木) 22時03分

>ヒラカナさん
 そうなんですよね、使い分けを意識してる人間には「卵」「玉子」は明確に違うんですよね。
 実は書く時にどうしようか迷っていました。
「卵」と「玉子」の違いをはっきり意識したことの無い読み手には「なんでいちいち違う字を使うの?」と思わせることになって、かえってわずらわしいかなぁ、「うずらのたまご」と平仮名続きも読みずらいかなぁ……と思い、ここでは「玉子」に統一しました。
「卵」「たまご」は読む時に脳内変換してやってください。

>ぐりさん
 おおっ、そんな技が!
 目からウロコが落ちた気分です。
 プロの技ですね。次の機会には使わせていただきます。
 情報ありがとう御座いました。

投稿: りんか | 2007年3月15日 (木) 23時24分

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